きゃりーの黒歴史をイジるな

【きゃりーぱみゅぱみゅ、保育園落ちたと告白】

一児の母である歌手のきゃりーぱみゅぱみゅが自身のSNSを更新、保育園に落ちたと報告。9日間連続でワンオペだとか。

基本的に芸能人のSNS投稿は商売の一環なので、ママ属性をつけていきたいんだろうなという風にとれる。ただ「世間のママたちと同じで私も大変なのよ」というアピールは方向性としては間違ってないと思うけど、ちょっとミスチョイスかなとも。「シッターでもなんでも頼めるカネあるくせに何言ってんだ」って反感も買うから。世の中のたいていはお金で解決できることを考えると、「大変な思いを共有する庶民派人気タレント」というのは矛盾の塊でなかなか難しいと思う。ママタレはそのあたりのバランスが求められるけど、きゃりーは果たして激戦区のママタレ魔境で戦えるのだろうか。

今は仕事をセーブしているけど、芸能志向が強いので子育てが一段落したらまた戻りたいんだろう。芸能志向といえば、よくきゃりーが「ジュニアアイドルとしてDVD出演」という過去を揶揄されているのを目にする。本人はなかったことにしたい黒歴史なわけだが、これをイジるのはちょっと気の毒だと思う。出演当時彼女はまだ中学生、「芸能人になりたい!」という思いが強くて大人に言いくるめられたら、そりゃブルマでもスク水でも着てしまうだろう。男性の性欲についてもよく知らんだろうし。

しかし親は違う。当然彼女の出演は親が同意したはずだし、ジュニアアイドルなんてどう言いつくろっても「ロリコンのオカズ」。色々事情はあったかもしれないが、少なくとも黒歴史の責任は親のほうにあるだろう。きゃりーは成功したので結果オーライな感じになっているが、せめて親は子育て手伝ってやれよとも思う。本当は手伝っててママタレ売りのために黙ってるのかもだが。

そもそも「子役は子供じゃないとダメだろ」という理屈で子供の労働が芸能界では例外的に認められてるはずなのに、アイドルとかまでOKなのはおかしいのではないか。ミスコンとかにはケチつけるのに、こういうのにダンマリなフェミ界隈の方々は本当にフェミニストなんだろうか。

『ヤンドク!』唯一の勝ち筋

フジテレビの新ドラマ(月9)、『ヤンドク!』が始まった。「橋本環奈×根本ノンジ」の『おむすび』タッグふたたび!とのこと。ヤンキーだった主人公(橋本)が親友の死をきっかけに猛勉強し脳神経外科医になり、医療現場に新しい風をもたらす痛快医療エンターテインメント、だそうな。

事前の情報からひどさは何となく予想できたけど、やっぱりひどい。橋本環奈の演技下手は今作でも相変わらず。「憂い」「沈み」などの感情を全部「眉をひそめる」で表現しちゃうから、「いつも不機嫌なヤツ」に見えてしまっていた『おむすび』ヒロインのときから何ひとつ進歩していない。

とはいえ、このタッグの戦犯は脚本の根本ノンジのほうだろう。漫画原作のドラマ化を多く手掛けるヒットメーカーということになっているけど、オリジナルで話を作るとなると能力不足がモロに出てしまった感じ。『ヤンドク!』はまだ一話しか放送されていないからあれだけど、『おむすび』ではキャラクターの性格に一貫性がなく「え、お前そんなやつだった?」のオンパレード。登場人物が生きているように思えず、話を都合よく進める小道具にしか見えなかった。何より、全体を通して何が言いたいのか全然わからない。

思うに根本氏は作家性が薄いというか、たぶん書きたいことなんて何もないのだろう。だから自分で一から話を作るとなると、どこか(とくに漫画)で見かけたエピソードをツギハギしてそれっぽくしたり、濃いキャラ(ヤンキーとかギャルとか過剰な方言)を出してドタバタさせて時間を埋めるしかない。そりゃ全体を通して何も読み取れるわけがない。

でも、根本氏の作家性の薄さはたぶん脚色家としては強みなんだろう。いっさい自我を出さず、ヒット漫画を忠実にドラマに落とし込む職人としては腕がいいんだと思う。「セクシー田中さん」事件の脚本家の相沢友子みたいに、要らん自我を出して改変する人よりはずっと優秀だ。まあ、相沢氏は元女優でシンガーソングライターだったらしいので、どうにも「私を見て」が抜けなかったのかもしれないが。

主演の橋本環奈にしても、演技はひどいけどお顔はさすがに1000年に一人の逸材だ。美しいし力があるから、目をひん剝いたりの顔芸はインパクト十分。気取らず思いっきり変顔もできる。あまり好きではないけど、いわゆる「福田組」的な作品(銀魂とか)でギャグをやる分には結構優秀な要員だと思う。

このタッグで成功するとしたら思いっきりおバカに振り切ったコメディしかない。一話放送で決めつけて悪いけど、この二人にまともなドラマをやらせようとした時点で負けは決まっていた。一つだけ逆転の勝ち筋があるとしたら、櫻井翔の『占拠シリーズ』のように、「トンチキな部分にツッコミを入れながら楽しむ」ほうに転がることだが、それも難しそう。『おむすび』は突っ込んでも面白くなかったものなあ。二人ともなんで受けたんだこの仕事。

鳥羽シェフは東出とシカを焼け

広末との不倫で一躍有名になったシェフ、鳥羽氏が自身のYoutubeで父親(料理人らしい)と共演し、思い出を語った。絶縁していた時期もあったが、いろいろあったけど味方でいてくれている、とのこと。

いわゆる「やらかした人」がイメージを回復させるためにSNSやらで発信するのはよくあるけど、ここまであからさまなのは珍しい。イメージ回復の手法もだいたいお決まりで、この動画みたいに「家族の感動秘話でやらかしを中和する」「実は病気でしたと公表し同情を買う」あたりが定番。とはいえ、鳥羽氏の場合そもそものやらかしが自身の不倫なわけだから、「家族愛アピールで中和」は無理だと思う。自分の不倫で二つ家族が壊れてるわけだから。

もともとこの人は広告代理店がついていて売り出されたとこがあったけど、不祥事後のこの「矛盾があっても定番で強引に押し切る」ってリカバリーの仕方も見事に広告代理店臭い。リカバリーできてないが。お次は病気の告白で「実は生きづらさを抱えていました」あたりだろうか。ベタでも信じて好感や同情を持っちゃう人は一定数いるからやりそうだが、見抜かれて嫌われる危険を甘く見すぎじゃないだろうか。

また鳥羽氏はこれ以外にもレシピ動画などをさかんに配信している。こっちは料理人として正当な活動ではあるが、自称料理研究家が一発当ててやろうと大量にうごめくのがSNSだ。プロのシェフとはいえなかなか競争に勝ち抜いて支持を集めるのは難しいだろう。やらないよりはマシだが、好感度回復の追い風としては微弱すぎる。

不倫発覚前の「豪快で朴訥、笑顔の似合うクマさんみたいなヒゲのシェフ」イメージにはもうどうやっても戻れないんだから、今の動きは完全に悪あがきだ。不倫で嫌われた今となってはヒゲ面も「汚らしい」と捉えられるし、豚肉を切って包丁を洗わない動画が広まった後では「豪快キャラ」も「雑で不潔なヤツ」でしかない。食に関わるには致命的だ。

騒動後、たぶん鳥羽氏も懐は苦しいのだろう。コラボ案件はほぼ全部無くなっただろうし、TVやイベント出演も消えた。離婚したから財産分与もあったろうし、養育費だってある。鍋を振るよりおいしいイメージ仕事がやりたいのはわかるが、これまで通りのキャラでってのはさすがに虫が良すぎる。

不倫離婚後に狩りしながら山で暮らしてる東出昌大を見習って、もっと「はみ出し者」方向に突っ走るしかないんじゃなかろうか。なんなら東出と一緒に住んで、シカ肉とか調理すればいい。野生動物を狩って調理、みたいなチャンネルは多分先行者がいるだろうけど、東出&鳥羽の知名度があれば戦えるだろう。東出は三人の女優と共同生活してるそうだから、そこに広末も入れて恋愛リアリティショーもできる。みんな倫理観ゆるめだから面白いと思う。