高梨沙羅のチグハグ感

【高梨沙羅、ミラノへ現役続行表明】

北京五輪後に進退を保留していたスキ
ージャンプの高梨選手が現役続行表
明、次のミラノ五輪を目指すとのこと。

実はこの高梨選手、キライじゃないん
だが見かけるたびになんだか不安(と
いうか違和感)をおぼえる存在だっ
た。私だけかもしれないが。なぜなの
かを考えてみる。

高梨選手といえばやはり誰が何と言お
うと興味の対象は「顔」だろう。10代
の頃からメディアに出ている彼女だ
が、25歳の今までにだいぶ変わってい
るように見える。

成長やメイクによるものもあるだろう
から、ウワサになっているように「整
形」しているのかどうか私にはよくわか
らない。そもそも整形の定義がハッキ
リしないものだし。ただ、なんとなく
違和感のある仕上がりにはなっている
と思う。

たしかにお顔自体は自然にキレイにな
っている。メイクであれ整形であれ、
「成功」と言っていいくらいにあか抜
けているし、ご本人も楽しそうだ。
でもなあ。ちょっとヒキで全身を見て
みると、アレ?という感情に襲われ
る。顔はすごくクールな感じでモデル
系なのに、身長152で日本人体型、おま
けに鍛えていて手足がしっかりしてるか
ら首から下はチンチクリン。見ていて不
安になるチグハグ感。

また、あか抜けてからの彼女はよく
SNSにキラキラな写真をアップするよ
うになった。これは何の問題もない。
キレイになったところを見て欲しい、
というのは若い女性としてすごく自然
だし、彼女はスポンサーもついていて
スキージャンプ界の「顔」でもある。
華やかなアピールも仕事のうちだ。

ところがインタビューとなると高梨選
手は終始カタい表情で、「市役所の人
か?」と思うほどに守りに入った優等
生的な発言しかしない。おそらくこっ
ちの彼女が素に近いんだろう。大人し
くて真面目なタイプがプリクラの瞬間
だけ「陽キャ」を演じているようなツ
ラいチグハグ感。

もうひとつは、アスリートとしての彼
女の評価。たしかに高梨選手はあの若
さでレジェンド、W杯の勝利数記録は
不朽だ。スキージャンプ女子のパイオ
ニアとしての功績も文句なし。でも
「日本を代表するスーパーアスリー
ト」「絶対女王」みたいな持ち上げ方
はちょっとどうなのか。

五輪競技になる前のスキージャンプ
(とくに女子)なんて兼業の選手が数
十人で競っていたレベルで、彼女が無
敵だったのはその時代の話。バンクー
バー五輪ではハッキリ「競技人口少な
すぎ」という理由で採用が見送られた
ほどだし(差別だという訴えもあり次
のソチでは正式採用)、その後五輪競
技になったことで各国がようやく力を
入れ始めた。30人くらいの集団でトッ
プだった人だから、100人くらいに増え
て才能のある人が入ってくるともう勝
ちきれない。

それでもずっとトレーニングに励んで
安定してトップ10内にいるのが高梨選
手の凄さなんだけど、彼女は「鉄人」系
であって「三冠王」じゃない。「マイ
ナー競技を初期からずっとやってて通算
勝利数が多い人」という実態と、マス
コミの「天才アスリート」という持ち
上げ方がやっぱりチグハグだ。ま、スポ
ンサーの手前あまり謙遜するわけにも
いかないだろうし、これは彼女自身に
はどうしようもないことだけど。

総じて高梨選手は真面目ゆえに不器用
で、「有名人」ポジションに不向きな
のがチグハグに感じてしまう原因なんだ
ろう。スターに不可欠な「運」もあま
りない。初採用のソチ五輪は海外勢も
まだ育っておらず最大のチャンスだっ
たけど、風に恵まれずフォークト(本職
は警察官)に初代金メダルをかっさら
われる。北京ではスーツ問題で失格。
そんなに本番に弱いというわけじゃな
いんだけど、「持ってない」感は否めな
い。

この先ミラノで復活の金でも獲れば間違
いなくスターだけど、高梨選手より年下
が台頭してきている現在、ちょっと難
しいだろう。でも彼女の違和感のもと
となっている真面目さ・カタさは
日本人的には非常に好まれる性質だ。
まだ現役なので失礼だけど、知名度も高
いし引退後は「挫折や批判を乗り越え
競技を続けられたメンタルトレーニン
グ法」みたいな感じで講演をやれば
企業に引っ張りだこな気がする。

「有名人」はちょっと不向きだけど、
「引退した元有名人」になったら肩の
力が抜けるタイプに見えるので、40歳
くらいの彼女はすごく自然にイキイキ
していると勝手に予想している。選手層
が薄すぎて、その年齢だとまだ現役か
もしれないが。

女性専用車両、ラッシュ地獄のコロナチャンス

女性専用車両が導入されて20年ほど
(大昔にもあったみたいだけど)。
いまだに肯定派と否定派の論争が絶え
ないし、議論が進むとたいてい男女の
殴り合いになってたりする。

女性専用車両じたいの必要性を否定す
る人はたぶんあんまりいないだろう。
痴漢被害者にとっては安全圏だし、
娘や妻や恋人が痴漢から守られるのは
男性だってウェルカムなはずだ。

ただどうしたって一両ぶん男性は「乗れ
ない車両」ができるので、不公平感は
否めない。「痴漢以外の男性」「痴漢
にあう女性」は協力してる(させられ
てる)のに、それ以外の女性が「私関
係ありません、気分で好きな車両に乗
ります」では前二者は納得しないだろ
う。

専用と言いつつも、法律上は男性を拒
否できない弱みがあるのが専用車両。
「個人の勝手」と言い張って一部の女
性があまり非協力的だと、反発した男
性側も「個人の勝手」で専用車にどや
どや乗り込んでくることだってできる。
そうなれば専用車なんて無意味。
全女性が専用車両に乗るのは不可能だ
けど、女性側もなるべく意識して協力し
ないと維持できないんじゃ?と思う。

とはいえ、あくまで上記は現状の話。
女性専用車は鉄道会社が「仕事してま
す感」のためにやってるだけで、こん
な半端なものについて言い合いしても
意味は薄い。

そもそもここ数十年、都市部の朝のラ
ッシュは「奴隷船か」ってくらい非人
間的なレベルなのに放置され続けてき
た。痴漢被害はその副産物のひとつに
過ぎない。痴漢とは関係なく、朝出勤
するだけでゴッソリ体力気力を削られ
てる人も多いだろう。日本人が疲れて
る原因のひとつだ。

朝の鬼ラッシュ自体をなんとかしない
とどうにもならない。鉄道会社にでき
ることは限られるので、けっきょくは
国(政治)の出番。

朝のラッシュ解消はむろん非常に難し
い。都市の一極集中もあるし、フレッ
クスタイムなんて根付かないし我慢強
い日本人は雨の日もクソ暑い日も毎日
満員電車に耐えてしまうから。

でもコロナは絶好のチャンスだ。テレ
ワークも進むうえ、「密になるのはダ
メ」というはっきりした理由を与えてく
れた。コロナが完全に終息するまで
(そんなことあるのか?)に話を進め
ないと、ラッシュ地獄が終わる日なん
か来ない。人口減で百年後くらいには
自然に終わってるのかもしれないが。

ホントは性別関係ないんだけど、「女
性」をウリに当選した女性議員の皆さ
んは放置してないでとっとと動いては
どうか。「痴漢に苦しむ同じ女性を助
ける」なんてまさに女性議員の面目躍
如、絶好の売り出し方なのにな。

羽生選手のヅカ感

【羽生結弦選手、現役引退】

フィギュアスケートの羽生結弦選手が
現役引退、今後はプロ転向でショーな
どに出演予定。

羽生選手がプロ化ということで、テレ
ビ各局がキャスターとして獲得に動い
ている、という話も聞く。数字獲れる
からオファーはたくさん来るだろうけ
ど、受けないほうがいいだろうなあ。

羽生選手は誰がどう見てもナルシスト
だ。でも、自分大好きなあまり他人を
踏みつける「悪いナルシスト」ではな
く、他人にも優しいカッコイイ自分で
ありたい、と思って努力できる「良い
ナルシスト」だと思う。動機はどうあ
れ行動は「良い人」と言って良い。

しかしナルシストであるため、タレン
トやキャスターみたいにフリーでしゃ
べるのには向いてない。よく会見でも
冗長というか抽象的で長ったらしい話
し方してるけど、「コレ言ったらカッコ
悪いかな」みたいに考え考えしゃべっ
てるんだろう。アレを見て自意識過剰
っぷりに嫌悪感を持つ人は多いだろう
し、バラエティなんかで同じことをす
れば完全に浮く。バラエティって強い
自意識が笑われちゃう場だから。

逆にCMキャラクターとしては優秀だと
思う。良いナルシストだから、スキャ
ンダルも起こしにくい。アスリートが
やりがちな「売れないアイドルと安ホ
テルから出た不倫現場を撮られる」み
たいなカッコ悪い姿、死んでも見せた
くないからやらないだろうし。羽生選
手独身だけど。

フィギュアって観客が世界観に入り込
む「陶酔型」のエンタメだから、演者も
そうなりがち。自意識がすごく強い。
その点で宝塚と似ている。お耽美な感
じとか、ファン層もかぶってるかも。

ヅカ出身のタカラジェンヌたちは芸能
界に行きやすいけど、歌とか歌う分には
よくてもバラエティじゃやはり不自由
そうにしている。この手の人たちは離
れて観るべきもので、近くにいられる
と自意識が暑苦しくて重たい。そのう
えそれがわかってない人が多いように
見える。

羽生選手はたぶん自分が「ヅカ的な
人」だという自覚があるが、一部のフ
ァンはわかってなさそう。陶酔型エン
タメってハマると気持ちいいんだけど、
はたから見るとその姿は結構キツい。

好きなのは自由だけど、公衆の面前で
「ユヅ愛」をアツく語るのって結構ア
レだということに気付いたほうがいい
と思う。